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け、エンコーダ高度計から気圧高度信号をうける。地形方向表示器に「危険」または「注意」の表示が行われるのと同時に「前方注意」などの警報音声が生成されて機内交話系統に送られる。
設定した飛行コースからの水平方向のデビエーションが機体のHSI系統に送られる。通常のVORによるデビエーションとGPSによるデビエーションのいずれかがスイッチによって選択されて、HSIのデビエーション・バーを振らせる。
3.4.1.4 主要機能
(1)自機位置測定機能
GPS衛星からの民間用C/Aコード電波を受信することにより、自機位置を測定する。水平方向の精度は100m(95%確率)である。
GPS受信部は、米国のIFR補助航法用装置の技術基準であるTSO−C129クラスA2に準拠したものである。しかし、日本の現行法規下ではGPSは航法装置として認められておらず、VFR飛行における外界監視の補助手段としてのみ利用することができる。
(2)地図表示機能
日本全土の3次元地形データベースを地図画像発生器内の半導体メモリに内蔵しており、飛行中の自機位置周囲の地図を生成して表示する。デ・一タベースは国土地理院の国土数値情報を利用したものであり、約250mメッシュの格子点ごとの標高データのほか、道路、鉄道、川などのデータ、市町村名などのデータを含んでいる。道路、鉄道、川などについては個別に選択し表示させることができる。
機首方位方向が上になるように表示するヘディング・アップ・モードのほか、北が上になるように表示するノース・アップ・モードで地図を表示させることができる。
飛行中に自機より高度が高い地形を赤色で塗りつぶして表示して注意を促す機能を持っ。この時、自機より低い一定範囲の高度の地形についてはピンク色で塗りつぶす。
また、航空交通管制圏、特別管制区、訓練空域などの空域情報を選択により地図に重ねあわせて表示する機能を持っ。
(3)航法支援機能
ウェイポイントを結んだ飛行コースを設定して表示する機能を持つ。各20個までのウェイポイントを持っプランを最大20プランまで設定することができる。
この飛行コースからの水平方向のデビエーションによってHSIのデビエーション・バーを振らせることができる。デビエーション・バーを中央に保つように飛行することにより、コース上を飛行することができる。
飛行コースと地形との間隔を計算して、最低飛行高度を各レグごとに表示する機能を持つ。これはコース中心線から左右それぞれ1NM以内の領域の最高の標高に1,000ftを加えた高度である。

 

 

 

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